昨日、被災地への医療支援の報告会をさせていただきました。
これは、被災地に入る前から、いろいろとサポートしてくれたメンバーがいたので、その方たちへの報告ということで、企画されました。
どういう話を伝えるべきなのか、いろいろと悩みました。
というのも、被災地から帰ってきてからの、クリニックの外来でも、患者さんみなさまからいろいろと聞かれるからです。
多いのは、「大変だったでしょー」ということなのですが、これには、
・現地で、被災地のみなさんは大変な暮らしをされているのですよね
・医療ボランティアで行った染谷先生も、寝袋、風呂なし、食事はインスタントラーメンで、ご苦労なさったのでは?
という、2種類の「大変」のイメージがあったのではないかと、思われます。
また、単純に、「現地に行ってみて、どうでしたか?」という問いですね。
いやー、これも返事に困る質問です。
どうしても限られた診療時間内で、様々な出来事を話すことは、不可能なので、ついつい、「ええ、まあ」などとお茶をにごすことになってしまうわけです。
ただ、僕としても、1週間クリニックを休診にして、被災地に行ってきたわけで、その間、うちのクリニックにかかりたかったのに、受診できなかった患者さんもいらっしゃるだろうことを考えると、しっかりと、被災地に行ってきて、その結果、どうあったのか、どうすべきなのかなどの、答えを出すことが必要だろうなとも考えていたのです。
今回の震災では、復興はまだまだこれからという現在のフェイズで、答えを出すことはとても難しいのですが、やはり一番強調しておきたいのは、復興には、長い道のりがあるということですね。
震災後、40日以上たって、被災地を訪れた僕から見ても、まだまだ手付かずの場所が山とありますし、避難所暮らしがいつまで続くかも、めどが立たない状態です。
そんな中、最初だけ支援しても、それでは、とってもとっても不十分なんです。僕らに出来ることは、ひとりひとりが、自分にできる範囲でいいから、忘れずに継続して、目を向けていくことだと思います。
そして、様々な形態でのボランティア活動、支援活動があるかと思いますが、決して、こうしたほうがいいだろう、こうすべきだと、こちら側の理屈で動いてはいけないということでしょうか。
みんな、もともとの生活があって、ある日突然、それが奪われていった。だとしたら、もとの生活に戻ることの支援が大切なのかもしれません。もちろん、完全に元には戻れないし、戻らないほうがいいこともあるかもしれません。
でも、そういうことって、それぞれ個人差があるわけで、それらを当事者でない、僕ら第三者はわかるはずはないのです。
だからこそ、人の気持ちに土足で上がり込むのではなく、必要とすることを一緒に考え、寄り添いながら、サポートに徹する。決して自分は主役ではなく、縁の下の力持ちのつもりで支援を続けていく。
こんなところじゃないかと思うんです、今のところ。
これから時間がたって、また考えも変わるかもしれませんが、少なくとも自分はそうありたいと今、考えています。
ちなみに、今回の1週間の支援では、全く僕はやつれませんでした。
体調も全く問題ありません。
皆様、いろいろお気遣いありがとうございます。
元気です!