前回の本の紹介に引き続いて、同じシリーズの本です。

子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方*叱り方
なぜ、続けて紹介するかというと、どうしても、この中で、触れておきたいことがあったからです。
Q&A形式で、話が進んでいくのですが、そのなかで虐待について触れていたページがあります。
そこでは、虐待についてマスコミ報道でしばしば見られるのが、
「虐待は、自分たちとは別世界のモンスターが起こした事件だという認識で、自分がそういうことを起こすなんて絶対に有り得ないという前提」だということであり、一方、子育て中の親御さんからは、それとは異なり、「あのような事件は起こさないまでも、その気持ちはわからなくもない」「自分も一歩間違えていたら、そうなっていたかもしれない」という感想が聞かれる、ということです。
前者では、虐待の原因は、特別な親の悪しき行状で、対処としては、悪い親を見つけて罰する、そして、こんなことをしたら警察に捕まるぞ、と見せしめにする対応になる。
しかし、後者の考え方だと、どんな親にも状況次第で起こりうることだととらえて、育児環境そのものを変えていく、というアプローチになる。
日本では、前者のような考え方が一般の人にはまだまだ多くて、必要なサポートも「親を甘やかしている」と言われかねない状況です。
これからの虐待予防に必要なのは、これ以上親を孤立させないこと、行政や民間が協力して、困っている親御さんを独りぼっちにしないこと。安心できる居場所や気軽に相談出来る場所を地域に作ること。
そして親御さんに伝えたいのは、同じような思いをしているのは、あなただけじゃない、みんな同じだ、だから、もっと他人に助けを求めていい、ということです。
こういった内容が書かれています。
実際、僕がクリニックで診療していても、今の子育てをしている世代の親御さんは、それはそれは、悩んで、苦しんで、子育てをしているのだろうと、思われる場面をいっぱい見てきています。
そういった環境も、少子高齢化の一因かもしれないと、思っています。
最近は、ネット環境が大幅に拡大しており、僕のような町医者が、細々とブログを書いていても、それを読んでくれる人が数多くいます。
こうやって、一つ一つ書いていくことも、大事かなーーと、思っております。