院長ブログ

新型コロナ、人ごとではなく自分の事として考えませんか?(2020年4月15日)

皆様、おはようございます。

今朝のニュースで、心ない言動というのが挙げられていました。
大学教授から学生に向けて「県外に出たら退学処分です」とか、長距離トラックの運転手の子供が、健康状態に問題ないのに、学校の入学式に参加ができなかったとか、宅配便の運転手が「コロナを持ち込むな」と言われたとか。
いずれも、真偽はわかりません。
でも、こういった事の根幹は、自分はかかっていない、他からうつされるのは迷惑だ、というスタンスだと思うのです。
どこか、やはり他のところの話で、自分はもらったら被害者だという捉え方をしているのではないでしょうか。

今回の新型コロナウイルスも、発生当初は、当たり前ですが、ごく少数の感染者数だったわけです。
ですが、現在、大都市では、限られた人への感染ではありません。
海外から戻ってきた人だけではないですし、夜の街に繰り出した人たちだけがうつっている訳でもありません。
どこか、行いが悪い人がうつって、真面目に自粛生活をしている人がうつされるのが困る、という構図になってきている気がします。
ですが、感染経路が不明な患者さんが増えるという事は、これまでのインフルエンザや、ほかのウイルス性の風邪と一緒で、どんなに注意してもかかる時にはかかるのです。

という事は、自分の家族がある日、体調を崩して、それが新型コロナウイルス感染によるものだったという事が、誰の身にも起きうる事なのです。
それでも、「コロナ持ち込むな」と言えますか?自分が言われても平気ですか?
田舎では、本当に村八分のような扱いをされるようです。
医療従事者の家族というだけで、保育園に来るのも拒まれたりします。
自分の子供が、そういう扱い、受けても平気ですか?

うちのクリニックがある川崎市でも、明らかに新型コロナウイルス感染増えています。
脅かすつもりはありませんが、誰がいつ感染してもおかしくないのです。
感染した本人が一番辛いのです。症状が強く出ることもあるし、朝、普通に喋っていたのに、夕方には人工呼吸器を使わないといけないくらい病状が悪化することもあります。
そして、その家族も辛いのです。自分が同じような経過をたどるかもしれない、と不安なのです。
そして新型コロナウイルスの診療に携わっている医療従事者も怖いのです。不安なのです。患者さんの病状が悪化するのを目の前でみていますから。自分がかかったらどうしよう。家族にうつしてしまったらどうしよう。
そんな不安の中で毎日仕事をしています。

別に、それに対して感謝をしろとかそういうことではないのです。
お互いに、自分がもし当事者になった時に、相手にされて、嫌な事は、自分もしないようにしませんか、という事なのです。
周りの人が、新型コロナウイルスにかかったら。
別に濃厚に介助して欲しいということではないのです。自分でできるサポートをして欲しいのです。
自分が感染してしまったら、とイメージして、周りにどうしてもらいたいか、考えて、行動して欲しいのです。
そうしたら、「あそこの家の誰々が、感染したらしいよ。」という、表面上は感染リスクを下げる親切にみえる発言も、本当にすべき発言かわかるのではないかと思います。

院内感染が起きた医療機関の風評被害は、それはそれはひどいことになっています。
正直、聞いていて、涙が出てきます。
川崎市でも、病院機能がほぼ、破綻しそうな状況まで来ています。
その中で、少しでも踏みとどまれるように、当院も発熱患者さんも診るように続けます。
でも、クリニックのスタッフも、不安な気持ちを抱えて、診療を続けています。
本当は出勤したくないかもしれませんが、そういった不安な言葉をぐっと飲み込んで出てきています。

一昔前にHIVいわゆるエイズについて、同様の差別的な扱いがあったことが思い出されます。
別に犯罪を犯しているのではないのです。悪いことをしているのでもないのです。
コロナウイルスというウイルスが体内に入ってきて、体調が悪くなるのです。
ウイルスは別に相手を選んで、入ってくるわけではありません。つまりは誰でも感染します。
明日、自分が感染するのかもしれません。それは僕自身かもしれません。
でも、そんな辛い思いをしている人に、より辛い気持ちになるような対応をすることは、くれぐれも皆様、避けませんか?
切なるお願いです。