院長ブログ

新型コロナウイルスワクチンについて(2021年1月21日)

皆さま、こんにちは。
今回は、新型コロナウイルスワクチンについて書いてみたいと思います。

と言うのも、最近外来で、
「ワクチンはいつぐらいに打てるのですか?」とか「自分は優先的に打てるんですかね?」とか、「ワクチンは打ったほうがいいんでしょうか?」とか「副作用が怖いですよね」などなど、色々と質問されることが多くなってきました。

これに対しては、「うーん、どうですかね。まだ決まっていないことも多いですし、新しいワクチンだから、お答えできることも少ないんですよね」と答えることが多いのですが。

質問されると言うことは、その裏にはもっと多くの疑問を持った方々がいるでしょうし、自分自身の頭の中の整理もしたほうがいいし。
そして自分より遥かにワクチンに詳しいドクターの方々がSNSなどを通じて、さまざまな情報発信をしていることもあり、そこから自分なりに咀嚼して、現時点での当院でのスタンスを書いておこうと言うわけです。

いつから打てるようになるの?
これは厚生労働省を中心に国としての方針を今、策定している最中だと思います。
そして、まだ決まっていないスケジュールを前提に、地方自治体に準備をしてくれ、と言われている段階です。
各自治体ごとに準備のスピードも違い、少なくとも、うちのような一クリニックには、ほぼ情報は降りてきていません。
インフルエンザワクチンのようにクリニックごとに個別でワクチンを打てるのか、はたまた体育館とか公民館のようなところに接種希望者が行って、そこで集団で接種をしていくのか。
ワクチンの製造メーカーによって保存方法が違ったりするので、そして同じ場所では同じメーカーのワクチンを使わないといけないというルールがあるという噂があったりで、まだなんとも言えません。
いずれにしても、今後、具体的な情報が入ってきたら、ホームページなどを通じて皆様にもお知らせできればと思います。

新型コロナウイルスのワクチンって、効果あるの?
これは、どういう効果を求めるかで、答えは変わってくるかもしれません。
・自分がウイルスに罹らなくなるか
・自分がウイルスに罹りにくくなるか
・自分がウイルスにかかっても、重症化しないか、重症化しにくくなるか
・自分がウイルスにかかっても、他の人にうつさないか、他の人にうつしにくくなるか

今回の新型コロナウイルスワクチン、何種類か出ていますが、いずれも実用化は初めてか、2種類目かと言うような新しいワクチンです。難しいことは、この院長ブログには似合わないので、細かい話はなしで笑

で、これまで治験、臨床試験などで分かっているワクチンの効果は、いずれも90%以上のようです。
ワクチンの効果90%って、どう言うことなのでしょう?
「90%の人には有効で、10%の人には効かない」
「接種した人の 90%は罹らないが、10%の人は罹る」ということではないんです。
例えば10000人ワクチンを打った人がいて、一方同じく10000人ワクチンを打たなかった人がいるとします。そうしたところ、ワクチンを打った人は10人だけ病気が発症し、ワクチンを打たなかった人からは100人病気が発症したとします。
そうするとワクチン打たなかった人は発症の可能性は100/10000で1%、ワクチンを打った人は10/10000で0.1%になりますね。1/10となり、90%減ってますね。これをワクチンの効果90%と言います。
つまり、ワクチンを打つと病気が発症するリスクが1/10になると言うことです。

なので、今回のワクチンは、どうも、打っても絶対にかからないと言うわけではないですが、かなりの確率で、発症は抑えられるようです。ちなみに、インフルエンザワクチンの効果は通常50%くらいと言われていますから、それに比べると格段に効果は強いですね。
また、発症が抑えられると言うことは、重症化のリスクもグッと減ると考えて良さそうです。

ただ、このワクチンについては、効果が続くかどうかは今後を見ていかないとわかりません。それはそうですよね。新しいワクチンで、世界の中でも何年も前に打った人は誰もいないのですから。
また、現時点では、ワクチンを打ったからといって、他の人にうつさない、うつしにくいと言うのは判明しておりません

副作用は大丈夫なの?
これまでの報告を見ると、注射をした局所の副作用は、インフルエンザのワクチンなどと比べると多いようです。
痛かったり、腫れたり、熱を持ったり。でもまぁ、これは予想できる範囲内だと思います。
では、皆様が心配される重篤なアレルギー反応はどうか?
アメリカではアナフィラキシーという急性の強目のアレルギーが出た報告があります。ただこれについてはワクチンだけでなく、どんな薬でも起こりうるリスクです。
今までの報告からすると、インフルエンザワクチンよりもその頻度は多いかもしれません。
今後、より多くの方に接種されることによって、その頻度はまた変わってくるかもしれません。ただ、普段の診療で使っている抗生物質(細菌をやっつける薬です)などのほうが、よほどアナフィラキシーを起こす頻度は高いと思います。
そのあたりをどう解釈して、考えるか、ですね。

で、結局、このワクチンは打ったほうがいいの?
ここは、間違いない「ただ一つの正解」があるわけではないと思います。
染谷はどうするのか?
「僕自身は、打てる環境、時期になったら打とうと思います」という答えです。
ワクチンの副作用(おそらく、現時点では頻度は高くなく、局所の反応などはやむを得ない)を恐れるのは、交通事故を恐れて道を歩かないと同じと考えています。
その上で、現状は、新型コロナウイルスに感染した場合、たとえ元気でも一定期間仕事休まないといけないというリスクがあり、重症化もそうですが、長期的に症状が遷延する可能性、そして後から起きるかもしれない血管炎などの可能性を考慮して、ワクチンは打ったほうが良いという判断です。

そして、現在のコロナウイルスの広がり、重症化のリスクなどを考えると、
「高齢者、基礎疾患を持った方々などの重症化リスクのある人」
「医療従事者、介護従事者などなど感染すると社会的に影響が大きい人」
は、やはり打ったほうがいいと思います。

と、クリニックではお話ししようと思っています。


ここまでツラツラと書いてきました。
それでも、疑問点は色々出てくると思いますし、時間経過と共に、また違う話ができるかもしれません。
適宜、分かった情報を提供していきたいと思いますし、クリニックでもお話ししたいと思います。また相談しましょう。