院長ブログ

なぜ重症化しにくい若者も行動自粛すべきなのか(2020年3月31日)

皆さま、おはようございます。

昨日は、僕らの世代にとっては知らない人はいない「志村けん」さんが、新型コロナを起因とする肺炎で亡くなってしまいました。ご冥福をお祈りいたします。

今回のことで、人工呼吸器、ECMO(体外式膜型人工心肺)という治療方法があるんだ、と知った方も多いかと思います。そして、これで命を救えるんだったら、どんどん人工呼吸器増産すればいいんじゃないか、ECMO増やせばいいんじゃないかと考える方がいるかもしれません。 ですが、人工呼吸器ひとつ取ってみても、もし患者さんに使ったとすると、その治療に関わる医療スタッフはぐっと増えます。また医師もみんながみんな、人工呼吸器を管理できるわけではなく、ごく限られた呼吸器内科医が拘束されるわけです。 また、コロナとなると、すべて個室対応になるでしょう。個室が埋まったら、大部屋として使っていた病室も一人しか入れなくなるかもしれません。 これまでだったら普通に病室に入っていた医療スタッフも、感染予防のためにガウン、手袋などなど着ては、また病室を出るときに脱いで。コロナ担当とそれ以外担当に医療スタッフを分けないといけなくなるかもしれません。

つまり、これまでもそんな余裕のない医療体制でやってきているところに、さらに医療資源の集中が起こるわけです。

総合病院で考えると。 若い人でも、これまで例えば骨折して入院したことありませんか? 胃腸炎で脱水がひどくなって、入院したことありませんか? コロナ以外の肺炎だったり、気胸だったりで入院したことありませんか? 扁桃炎で熱が下がらなくて入院したことありませんか? そして、妊娠中に調子が悪くなって入院したことありませんか?

このような患者さんが、今後、入院できなくなる可能性が大きくなります。 今までこういった患者さんが入っていた病室にコロナ感染の患者さんが入院します。 普段以上に医療スタッフがかかりっきりになります。

なので、他の入院患者さんに手が回らないのです。 若い人がコロナ感染を起こして入院、もしくは高齢者などに移して、その方が入院することになると、結果としてその他の病気の方の入院も難しくなるのです。

つまり、自分が入院する必要性が出てきたときにも、入院できなくなるかもしれないのです。 これでも、自分には関係ないと言えるのでしょうか。

こういう状況が、医療崩壊というのです。 ぜひ、皆さま、そのあたりをご理解いただいて、行動していただければと思います。

そして、我が日本。 国民の自粛に依存していますが、本当にこれでいいのでしょうか。 コロナが落ち着いた後、焼け野原になっていて、今まで楽しみに行っていた飲食店はすべて持ちこたえられず、閉店している。スポーツジムも閉店している。カラオケ屋、もちろんなくなっている。 百貨店、なかのテナントは全くなし。 そんなことにならないでしょうか。今こそ、皆の叡智を集約して、支え合わないといけないと思うのですが。