週末、土曜日の診療をお休みいただき、日本在宅医学会もりおか大会に参加してきました。
この学会、年々規模が大きくなり、現在では5000人規模の参加者となっております。
医師だけでなく、事務職、看護師など、多職種の方の参加、発表があり、他の学会とは多少趣が異なる雰囲気で、とてもアクティブなセッションが多くなっております。
どのセッションも立ち見の参加者が多数でした。
いろいろとみて回りましたが、そのなかに、「望ましい胃ろう、望ましくない胃ろう」~胃ろうに関する議論の整理を行いましょう~というパネルディスカッションがありました。
このセッションが企画された背景としては、昨今「胃ろうは避けるべきもの」となる事が多く、極力胃ろうを減らす方向へと議論が進みやすくなっているという事があります。「不適切な胃ろう」がたくさん造設されてきたことへの警鐘にはなっていますが、一方で、「最近は胃ろうは良くない、という話だから。。。」というだけで、敬遠されてしまうケースもあります。
こういう前提で、様々な立場から、胃ろうについて、ディスカッションをするセッションでした。
様々な日常出会うであろう、シチュエーション、苦労、喜び、そんな実体験に基づいたプレゼンテーションを拝見することができて、自分の「胃ろう」に対する考え方が、少し整理できた気がします。
実は、当院でずっと在宅でフォローしてきた患者さんが、先ごろ、入院する事があって、病院主治医、患者さん家族と相談したうえで、胃ろう造設を行って退院してきました。
そして、その患者さんの今後のフォローは当然僕がしていくので、胃ろう交換用に、内視鏡を購入しました。
とても細い内視鏡で、胃ろう交換がしっかりとできたか、確認のためだけの内視鏡なのですが、胃ろう交換を自宅でやろうと思うと、必須の物品になります。
胃ろう造設というのは、あくまでも、その患者さんがどう生きていくのか、選択肢がある中の、ひとつの手段であります。
胃ろうがいい、悪いという二元論で話ができるものではなく、これから、悩んでいくであろう、患者さん、その家族の方のサポートが少しでもできればいいな、と思っております。
胃ろうについての、ご相談、いつでも、受けますからね。