院長ブログ

現状はインフルエンザなどの迅速検査は必要最小限とさせていただきます(2020年3月11日)

皆様、こんにちは。
先日、新型コロナウイルスを踏まえての当院の診療スタンスというブログを書かせていただきました。
その中で、インフルエンザなどの迅速検査は必要最小限にさせてもらう旨を書いておりました。

が、それでも診察時に、検査をしないということに関して、患者さんから、お叱りを受けました。
なんで検査をしてくれないのかと。
ごもっともです。検査希望で来院されて、検査をしてくれないとなると、満足できないかと思います。
そして、僕の説明が下手であったために、より腹立たしくなるのかもしれません。

今後も同じような対応で、患者さんに不満、不安を与えてしまわないよう、今一度、現状を説明させていただきます。

もともと、インフルエンザ迅速検査、必ずしも必要ではないと思っております。
例えば発熱初期などで検査しても陰性、翌日に検査で陽性ということはしばしばあります。
また、他院で2回検査して陰性、でも熱が下がらず、3回目、当院で陽性、などもあります。
結果として、陽性であれば、「ああ、やはりこの熱はインフルエンザでしたね」となりますが、
最後まで検査で陰性のままの方も当然いらっしゃいます。
ですが、いずれも、対症療法だけでも、大部分の方は治っていきます。
ただ、中に高熱が続いてだるさも強く、辛い方がいて、そういう方にはタミフルなどの抗ウイルス薬を処方したりします。この薬の治療効果としては使わないよりも1.5日程度、早く解熱することが期待できます。
検査して陽性でこの薬を使うこともあれば、最初から症状から、もしくは家族にインフルエンザがいてうつったであろう方には検査もしないで処方することもあります。
つまり、検査をしてもしなくても、インフルエンザの治療をすることもあれば、インフルエンザ検査陽性で、対症療法だけすることもあります。
迅速検査、陰性であってもインフルエンザであることは否定できず、また、治療方針は検査をしなくても、症状から決めることができる、なので、検査は必ずしも必要ないと考えているわけです。
この辺りが、説明しても、なかなかご理解いただけないところで、自分の説明力の弱さを痛感するところであります。

そうした背景を踏まえて、現時点の日本の状況は、新型コロナウイルスのパンデミック(急速に広範囲に広がっていく)になっている最中と考えられます。
そのような状況で、少しでも感染拡大を防ぐ必要があります。
僕らクリニックで診療している内科医は、自分のクリニックで、新型コロナウイルスの感染を広げてしまうこと、つまりクリニックがクラスターになること、これはできるならば、避けたいと思っています。
インフルエンザ迅速検査は、鼻に綿棒を突っ込むことで、咳やくしゃみを誘発します。
これは、診察室内にウイルスを撒き散らす可能性を示しています。
その次に診察室に入ってきた患者さんが、高齢の糖尿病の患者さんだったら・・・
介助した看護師がウイルスを吸い込んだとしたら・・・
診察後、患者さんが待合室でくしゃみを連発していたとしたら・・・
いずれも、ウイルス感染を広げてしまうことにつながってしまいます。

普段だったら、なんて大げさな、という話ですが、今は、世界中が、感染拡大を防ぐために、自宅待機、移動制限などさまざまな制約を受けながら暮らしています。
それでも、風邪で体調を崩す方はいらっしゃる。
検査をすべきか。でも、やはり、しないべきか。
そんな葛藤を持ちながら、診療を続けています。
どうしても、インフルエンザ迅速検査をしなければいけない時とは、どんな時でしょうか。
新型コロナウイルスが並存していたとして、それをばらまくリスクを負っても、検査をすべき時はどんな時でしょうか。

繰り返し、診察室で患者さんと同じようなやり取りをする中で、僕のものの言い方でご納得いただけない方がいらっしゃるのは確かだと思いますし、口に出していただくことで、こちらの気づきもとても大きいので、ありがたいことであるのですが、迅速検査を極力しないのは、様々な状況から総合的な判断からとなっておりますことをご理解いただきたいのです。

どうか、ご了承ください。
そして、少しでも早く、今の騒動が落ち着いて、また、「え〜、検査いらないとは思いますが、一応やっておきます?」なんて会話ができる平和な外来に戻ることを祈っております。