今日は高血圧についてちょっと書いてみたいと思います.
「高血圧」きっと,みなさん,耳なじみのある言葉ですよね.
では,高血圧とはいったいなんでしょうか.
「高血圧とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態である。高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクとなる点で臨床的な意義は大きい。」
というようなことが,書かれていることが多いですかね.
つまりは血圧を測ってみて,ある一定以上の値を超えていれば,高血圧です.そして高血圧の状態が続くといろいろな病気が出てくるよ,そういうことですね.
実はこの高血圧も,原因が何か,軽症か重症か,年齢もしくはそのほかに持っている病気によって目標とする血圧の値が変わってくるとか,いろいろな薬があるとか,様々な注目点はあります.
ただあんまり小難しい話をしても,「なんだかよくわからない」で終わってしまうと思いますので,的を絞って血圧の話を書いてみたいと思います.今回は血圧の変動(例えば日内変動など)について触れていきます.「そんなもんなんだ」とでも興味を持ってもらえればと,そして必要なときに思い出していただければ幸いです.


最近は血圧測定も,朝一回起きたときとか,診察室でだけとかではなくて,「自由行動下血圧モニタリング」といって,24時間血圧測定することでいろいろわかってきました.
24時間血圧を測ってみると,高血圧の中にも,夜中になると(つまり寝ているとき)昼間の10%以上血圧が下がっている人と,夜中になっても全く変化が無い人がいることがわかってきました.この人たちを較べると,血圧の変化が無い人のほうが,血圧が高いことによる心臓の病気などで命を落としてしまうことが多いという研究成績も出てきました.
また,早朝高血圧といって,朝起きたときの血圧上昇が大きいグループは脳卒中の危険性が高いこともわかってきています.
また,日内変動以外でも,「白衣高血圧」なんていう言葉を聞いたことがありませんか?
これは,読んで字のごとく,病院にいって,診察室に入って測る血圧が高い状態を意味するものです.それ以外の日常生活では正常の血圧にもかかわらず.
では,「仮面高血圧」はわかりますか?
これは診察室で測ると血圧は正常,もしくは毎日同じ時間に血圧を測定していて,そのときは正常だけど,それ以外の大部分の時間は高血圧だ,という場合を仮面高血圧といいます.
そして「持続的高血圧」がありますよね.
さあ,ここで問題です.
(1)持続的高血圧 (2)白衣高血圧 (3)仮面高血圧
どの順番で治療が必要でしょうか?
そうです.答えは
(1)>(3)>(2)です.
最近は家庭で測定する血圧計も随分正確になってきていますから,是非家での血圧を一日に何回か測ってみて,血圧が高そうな人は,是非,お近くの内科のクリニックで一度相談してみてください.