今日はちょっとジェネリック医薬品について考えてみましょう.
みなさんも最近のTVコマーシャルを見ていると,いろいろな芸能人が宣伝しているから,言葉は聞いたことがありますよね.
でも,ちょっと不思議に思いませんか?
「3-7割安くて,効き目は同じです!」
冷静に考えて,他の業界でこんなことって,あります?
ジェネリック医薬品というのは,最初に開発された薬の特許(10年間)が切れた後に,主成分が同じもので作られた薬のことです.
ここで注目しなければいけないのは,主成分以外の,添加剤であったり,加工技術であったりは全く同じではないということです.
と,すれば吸収の度合いであったり,排泄の度合いだったりということは同じとは限らないのです.
残念ながら,日本のシステムでは,そこまでの検証は求められていないのが現実です.
つまりは,ジェネリック医薬品に関しては,必ずしも効き目は同じとは限らないということです.
こうやって書くと,ジェネリックは全部反対かといえば,そのような話をするつもりはありません.
ただ,適正な医療を維持するためには,そういった安全性を担保できるようなシステムを作ってから,もっとジェネリックを推進するようにしていくべきではないかと思うのです.
先発品メーカーの新薬開発に対する努力を続けてもらうためにも,優秀なジェネリック薬の登場というのは,歓迎すべきものだと思います.
さらに,性能がグッと先発品に近づいてきているジェネリック薬があれば,それは患者さんの経済的負担の軽減という意味でも,大いに意味があります.(医療においては,金持ちだけが最良の治療を受けられて,経済的弱者が充分な医療を受けられないという状況はあってはならないと思います)
今,ジェネリック薬の使用推進が,どうしても患者さんのための方策ではなくて,国が財政難で,医療費削減が主目的になっているように見えるのが,納得できないんですよね.
皆さんは,ただ安くなるということ以外のことを考えたことはありますか.
自分自身の身体,健康についてはやはり自分がよーく考えなければいけない時代ですね.
もちろん,なんでもかんでも薬を出す,新しい薬が出たら,もっぱらその薬を使う,なんていうのは言語同断ですけどね.
ちょっと,極端な意見だったかもしれません.
クリニックにいらっしゃる患者さんで,もう少しこの話を聞いてみたいという方は,是非,診察のときにでも,一声おかけください.
よろしくお願いします.